Startup PlayBook by Sam Altman

Y CombinatorのSam Altmanがまとめた、スタートアップに対するY Combinatorの教え”Startup Playbook”が非常に勉強になったので、箇条書きで重要なポイントを全部和訳しました。
各フェーズごとのYCの教えが順番に書かれています。

原文
http://playbook.samaltman.com/

【アジェンダ】
playbook

【前段】

– スタートアップで成功するために重要なこと

– 素晴らしい事業アイディア(市場も含む)
– 優秀なチーム
– 素晴らしいプロダクト
– 高いエグゼキューション能力

【The Idea】

– YCでまず最初に起業家に聞くことは、「何を作っているのか?」そして「なぜ作っているのか?」
– 回答は、非常にシンプルでわかりやすくなければならない。そして、起業家は、シンプルでクリアな思考力とコミュニケーションが重要である。なぜなら、採用、資金調達、営業等、様々な場面で必要となるからである。
– 一言で説明できないプロダクトは、大抵何か問題がある。
– 次に聞くことは、「誰がこのサービスを、本当に欲しがっているのか?」
– 起業家自身がターゲットユーザーであるか、ユーザー自身を非常に深く理解していることが最も理想的である。
– もしユーザーが既にいるのであれば、次に何人ユーザーがいて、どれくらいのスピードで成長しているのかを聞く。
– なぜ早く成長していないのかを分析し、そしてどれくらいユーザーがそのプロダクトを愛しているのかを確認する。
– 次にどの程度売上があるかを聞く。もし無ければ、なぜ売上が立っていないのかを聞く。
– もしまだユーザーがいないのであれば、最小限のテストをするように伝え、そしてその結果を聞く。
– 最小限のテストとは、非常にシンプルなプロダクトを出すか、実際に売ってみることである。B2Bの会社の場合は、後者である。もし顧客が買いたいと意思表示したら、初めて開発をスタートすれば良い。
– 最後に、市場について聞く。今どの程度市場規模が大きくて、どれくらい成長しているのか。そしてなぜ成長するのか。

【A Great Team】

– 二流の創業チームは、決して良い会社を作ることはできない。
– YCが最も重視するのは、Founderの強みは何か?という点である。
– 最も重要な要素は、意志の強さや、やりきる力、困難な状況を打破する力、といったところである。
– 知的能力の高さと情熱も、同じくらい重要である。これらは、「豊富な経験量」よりも重要である。
– 成功する起業家のもう一つの特徴は、一緒に働くことにあまりストレスを感じない、という点である。なぜなら、どんなことでもきっとやってくれる、と常に思えるからである。
– 成功する起業家は、表面上は矛盾するものをいくつか持っている。
– 例えば、決心の強さと、柔軟性。会社のコアやミッションには絶対の執念を持つが、それでも新しいものを学んだり取り入れたりすることに柔軟である、といった形である。
– 大成功する起業家は、異常な程レスポンスが早い。
– コミュニケーションをとるのが難しい、時間がかかる起業家は、大抵成功しない。コミュニケーションは、起業家にとって非常に重要なスキルである。
– スタートアップは、大抵一人プロダクトやサービスを作れる人間と、営業やユーザーとのコミュニケーションに長けた人がFounderにいた方が良い。これは、同一人物でも可である。
– これらのことを考えて、共同創業者を選ぶと良い。
– 共同創業者の喧嘩や仲間割れは、アーリーステージのスタートアップが死ぬ最も多い原因の一つである。
– 素晴らしい共同創業者がいることが一番良い。そしてその次に良いのは、1人で起業する、Solo Founderである。最もダメなのが、悪い共同創業者を持っていることだ。
– 共同創業者のシェアについては、ほぼ同じ比率なのがベスト。

【A Great Product】

– 素晴らしいプロダクトを持っていること。これは、大成功してきた企業すべてに唯一共通することである。
– もしユーザーに愛されない、本当に必要とされないサービスを作ると、必ず失敗していく。
– 素晴らしいプロダクトを作ること、これだけが長期的に成功する唯一の方法である。
– プロダクトを改善するエンジンを、会社に持つべきである。ユーザーに会い、ユーザーの行動を分析し、改善する。
– このサイクルのリピートレートが早ければ早いほど、会社は成長していく。
– YCでは起業家に対して、プロダクトを作れ、ユーザーの声を聞け、食べる、寝る、運動する、家族や愛する人間との時間、これ以外の時間は一切無駄だから削れと伝えている。
– 初期は、とにかくユーザーの近くにいること。営業やカスタマーサポートは、創業者自身が最初はやるべきだ。
– “スケールしないことをやれ”
– 最初のユーザーを人力で捕まえて、声を聞き、そして作る。
– 多くの起業家が、こうした地道なことを嫌がり、作ったプロダクトをプレスリリース配信して終わらそうとする。しかし、それだけやっていても決して成功することはない。
– ユーザーを人力で捕まえて、その最初のユーザーが口コミでサービスを他の友達に伝えてくれるようになるまで、ひたすら良いプロダクトを作ることに専念しろ。
– 小さく、早く仮説検証を繰り返すこと。
– そして一度使われたくらいで満足せず、とにかく初期の人力で集めた数名のユーザーが愛するプロダクトを作ること。B2Bであれば、有料でお金を払ってもらうこと。
– 大抵のスタートアップが失敗する理由は、このプロダクトの磨きこみが不完全だからである。
– ここでいう“プロダクト”とは、ユーザーが会社と接するすべてのインタラクションを指す。つまり、素晴らしいサポートや営業も含まれているのである。

【Great Execution】

– 素晴らしいプロダクトを作っても、それだけで成功する企業を作れるわけではない。
– 創業者自身で、エグゼキューションしなければならない。
– よく優秀なマネージャーを採用し、彼らに運営を任せればいいというアドバイスがあるが、失敗した会社の多くがそうした真似をしていた。

【Growth】

– 成長(率)と、推進力が素晴らしいエグゼキューションの鍵である。
– グロースは、すべての問題を解決する。もし成長していれば、チームの雰囲気もよくなり、すべてが順調に進む。
– また、素晴らしいエグゼキューションの重要なことの一つが、決して推進力を失わない、ということである。
– Airbnbでは、Founderが求める成長率を書いた図を、オフィスの冷蔵庫やデスク、トイレの鏡など、至る所に貼っていた。
– 常にグロースを妨げている要因をリストアップし、会社全体でいかに成長率をあげていけるかを常に話しあうべきだ。
– そして、常に自分自身に、会社の成長に自分の今の意思決定が直結しているか?を問い続けること。たとえば、イベントやカンファレンスに出席することは、そこで大量のプロダクトを売れるようなことでもない限り、大抵は間違った決断と行動ということである。
– 成長率と同じくらい、新規ユーザーの継続率が重要である。
– よく長期的な問題について、いちいち時間をかけて考えている起業家がいるが、それはそこまで達したら考えれば良い。
– 常に、今のスケールから10倍の規模感になった時のことだけを考えていけば良い。遠すぎる未来についてあまり時間を使うな。

【Focus & Intensity】

– 選択と集中が重要。
– 成功した起業家は、全部を手広くやろうとしない。プロダクトとグロースに集中する。
– スタートアップで、複数のことを同時にやろうとして、成功した会社を1社も見たことがない。
– スタートアップが失敗する原因の一つが、たくさんの間違ったことを同時にやってしまうことである。
– 選択と同時に、集中=スピード、推進力が非常に重要である。
– スピードが遅い起業家で、成功した人を今まで見たことがない。
– そして、初期に事業が立ち上がってきても、決して満足せず、常に成長に貪欲になること。
– よく最初ある程度事業が立ち上がった後、ネットワーキングイベントに行ったり、カンファレンスのパネルに登壇したり、自己ブランディングと”起業家”であることに快感を覚える人がいるが、決してそんなことをしてはいけない。
– 選択と集中こそが、長期的な成功をする上での鍵である。

【Jobs of the CEO】

– CEOがやらなければいけないこと

– 1) 会社のビジョンと戦略を決める
– 2) 会社の伝道師となる
– 3) チームを採用し、マネジメントする
– 4) 資金調達
– 5) エグゼキューションの目標基準を定める

– 常にチームと社会に対して、レスポンスを早く、戦略や優先順位にクリアに、大事なことを常に示し、そしてスピード感を持ってエグゼキューションすること。
– 自分の心理状態をコントロールすることも極めて重要である。心理的なアップダウンは、非常にきついから、そういったことに振り回されずに淡々とやり続ける心理状態の持ち方を早めに見つけておいたほうがいい。
– 会社で何か大変な問題が起きた時には、何でも相談できる他の起業家仲間を持っておくといい。
– 大成功する企業を作るのは、非常に長い道のりであり、長い時間がかかる。
– よく食べ、そしてよく寝て、よく運動すると良い。
– だからこそ、自分が本当に情熱を持てる領域で戦う必要がある。
– すぐに言い訳を探す癖をやめること。もっとお金があれば、もっとエンジニアいれば・・ということを常に考える起業家は、大抵成功しない。
– 常に正直に、なんでも質問し、そしてただ進めること。
– 我慢強くやること。大抵の起業家は、諦めるのが早すぎる。
– 成功する起業家になることの一番の理由は、諦めないことだ。
– 楽観的であること。ロングタームなビジョンを忘れずに、日々の業務をこなすことが重要。
– スタートアップとは、宗教を作るようなものだ。YCの投資先では、Airbnbが最もそれが上手である。彼らのカルチャー、バリューを研究すると良い。
– 起業家が犯す失敗の一つに、プロダクトやソリューションに発明を起こそうとせずに、採用やマーケティング、営業、PR等の領域で、他の会社とは違ったことをやろうとすることがある。これは間違いであり、そんな時間を割くよりも、プロダクトに最大限集中すべきである。

【Hiring & Managing】

– 採用は、素晴らしい会社を作る上で、最も重要なことの一つだ。
– 私自身の採用に関するまず始めのアドバイスは、採用をするな!ということである。
– YCで成功した多くの企業は、最初の従業員を採用するまでの時間が、比較的長いことが多かった。つまり、最初はFounderだけでやりきるのだ。
– 従業員の採用はお金がかかる。コミュニケーションコストもかかるし、組織がより複雑にもなる。
– 素晴らしい人材というのは、転職時にたくさんの選択肢がある。まだ君がスタートアップで何も成し遂げていない中で、彼らを採用することはそもそも難しい。事業が一度立ち上がってから採用すればいいのだ。
– いざ採用のフェーズになったら、最高の人材にはシェアや責任ある立場は、惜しみなく差し出せ。大概そういう最高の人材は、自分でいつでも会社を始めることができるような優秀なやつだ。
– Product Market Fitを終えて、採用のフェーズに入ったら、自分の時間の25%は採用に充てろ。少なくともFounderの誰かは、採用に強くなければならない。
– 最初の人材は妥協するな。中途半端な人材を最初に採用してしまった会社で、その後再生した会社はほぼない。
– 最初、どんな時もネガティブな人間は決して採用すべきではない。
– どんな職種も、経験より才能である。
– 自分自身も、良いマネージャーになるように、自分自身に投資すべき。良いメンターをつけて、マネジメントを学べ。
– リモートワークは、初期すべきではない。
– 解雇する時は早くすること。特にカルチャーに合わない人間は。

【Competitors】

– 起業家は最初、会社が潰れる99%は競合によるものだ、という誤解を持っている。実際、会社が潰れる99%は自殺によるものだ!
– 競合のことを心配する前に、自社の課題や問題に100%の時間を割いた方が良い。
– 99%の時間は、競合のことを気にしない方が良い。特に、競合が大きく資金調達をしたり、メディアを賑わせている時はなおさらだ。本当に競合のことを初期に考えるのは時間の無駄だ。

【Making Money】

– もし自社のサービスが無料なら、決してユーザーをお金で獲得していくことはしない方が良い。これは広告がメインのビジネスにおいては非常にキツイ。ユーザーがユーザーにシェアしてくれる仕掛けを用意した方がいい。
– もしLTVが$1,000以下の有料なプロダクト、サービスを提供しているなら、SEOやSEM、広告等を試し、3ヶ月でユーザー獲得コストをペイできるようにすると良い。
– もしLTVが$1,000以上であれば、ダイレクト販売していくことも可能だが、LTVが$5,000以上でない場合は、ワークしなくなる可能性も高い。まず起業家自身でプロダクトを売ってみて、その後にセールスを効率化すれば良い。
– まず自分たちが最低限生き残れるだけの売上を最速で立てに行くと良い。”ramen profitability”

【Fundraising】

– ファイナンスは、必要になってからすべき。
– 金を集めて、自社の何かの問題を解決しようと思うな。
– 十分なお金がないことはよくないかもしれないが、必要以上のお金があることは常に会社を悪い方向に向かわせる。
– いい資金調達をするための秘訣は、いい会社になっておくことである。
– VCは、常に非常に大きな会社になることに賭けている。起業家は、なぜ自社が大きく将来的に成功することができるのかを、常に説明すると良い。
– 資金調達に苦戦したからといって、モチベーションを下げてはならない。大抵今成功している多くの企業も、初期は何度もVCに断られ続けて、資金調達に苦戦してきた。
– VCの多くは、自社の事業領域にそれほど詳しくないと知っておくと良い。だからこそ、数値実績こそが、最も説得力があるのである。
– VCの多くは、やはり誰かの紹介で接触するのがいい。
– バリュエーションには決してこだわるな。それよりも、誰とやるかでVCを決めろ。
– 良いVCは、たくさんの価値を提供する。悪いVCは、たくさんの邪魔をする。ほとんどのVCはその中間、「何もしない」か「極端にどちらかに振れている」。
– Paul Grahamの資金調達で読むべきエッセイ
http://paulgraham.com/fr.html